へうげもの

　先日友達から言われたこと。「大樹はへうげものだね。」と。

「へうげもの」はモーニングに隔週連載されている山田芳裕のマンガ。「へうげる（剽げる）」とは「ふざけている」「おどけている」の意味。織田信長、豊臣秀吉に仕えた古田織部が主人公のマンガ。「出世」と「物」、二つの「欲」の間で日々葛藤と悶絶を繰り返す戦国武将「古田織部」の物語。

　言われた意味は、後者の、マンガのあらすじのような感性や心情、生き方になっている、ってこと。率直に言って、物欲と出世欲はあまりないと思ってたんやけど、親しい人にはそのようには映ってなかったようで。というより、指摘されて改めてオレって業が深いのだな、って思った。心穏やかに趣味を追求して生きられたらなあ、って思うんやけど、そのためにはお金と時間が必要で、お金を得るためには時間を費やして、時には自分の意に沿わぬ仕事をしなければらならない毎日。自分の理想を追い求めれば求めるほど、理想からは離れていく毎日。ジレンマやな。突き詰めれば、理想を追い求めることから業が生まれているのだ。そして今の自分には理想を放棄することは出来ない。現在の状況を脱する方法は思いつかないわけで、業の深さを自認して生きていくしか術はない。

　とりあえず、「へうげもの」全巻揃えよう。中古ショップで探してこよう。